quadratureのシニカル日記

イヤなことは壺の中に

絶対助けないだろう─特急車内で乱暴された女性

JR特急サンダーバード(昔の雷鳥)の車内(06年8/3、午後9時20分頃)で、堂々と女性(事件当時27歳)がトイレに連れ込まれ乱暴されるという事件があり、車内の40人ほどの乗客に非難が向けられている。犯人と目される植園貴光さん(36歳・滋賀県湖南市石部南・解体工)に凄まれたからと言って、なぜ車掌に通報することすらしなかったのか?しかし自分も、もしその場に居合わせたとしたら、見ないふりをして通報しなかったと思う。なぜか?

  1. 無理に犯人を止めたりしたら、強要罪で訴えられるかも知れない
  2. へたにそばに近づいたりしたら、動転した女性に間違えられて「この人も痴漢です」と訴えられかねない。

有り得ないって?そんなことはない。上記の二件は実際にあった話だ。一番目は毒蝮三太夫さんが駐車違反の女性を現行犯逮捕して警察署に引き連れて行ったら女性に無理矢理連れて来られたと騒がれ、逆に「強要罪」で逮捕されてしまった。二番目は最近、手記が出版された「西武新宿線痴漢事件」(00年12/5)の話だ。高田馬場駅で電車を降りたところで近眼の女性(視力0.3)に痴漢と間違われ警察に突き出され、服の色が証言と違っていたにもかかわらず、東京地裁の能無し裁判官に実刑判決をくらい、会社には起訴の段階で首にされ(無罪判決後、ねばり強い交渉で復職)、検事には「コイツ、住宅ローンがあるんだってよ」と罵られ、挙句の果てには高裁で無罪(02年12/5、仙波厚裁判長)を勝ち取ったにもかかわらず、裁判費用600万円(自らの交通費等を含めるかなどにより400-600の幅がある)のうち、何と232万円しか補償されなかったという話だ。
【教訓】電車内で両手でつり革につかまるだけでは痴漢の疑いに対する防御には不十分だ。万が一疑義をかけられたら絶対に逃げる。もし手を掴まれたら「乱暴するな」と叫んで蹴飛ばして逃げる(強要に対する正当防衛)。逆に痴漢の現場を目撃しても犯人を捕まえたりしてはいけない。もし犯人に「無理矢理捕まえられた」と訴えられたら強要罪で逮捕されるかも知れない。これが日本の正義だ。