quadratureのシニカル日記

イヤなことは壺の中に

普通選挙が帝国議会を堕落させた?

劇場化する国会は「昭和の帝国議会」への道−−スキャンダルが政党政治を破壊する(アゴラ、JBpress、2018.4.27(金) 池田 信夫)

これは政権と無関係なので、若槻首相は最初は無視していたが、扇情的な写真が新聞に掲載されると、野党は大衆受けするスキャンダルを追及し、おりからの金融恐慌とあいまって若槻内閣は総辞職した。
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それまでの有権者(地主などの高額納税者)と違って、新たに選挙権を得た農民や労働者には外交や経済政策は分からなかったからだ。
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不祥事は野党にもあったので、国民は「政治家はすべて腐敗している」という印象をもち、清廉な軍部に支持が集まった。首相を暗殺するテロが横行し、内閣が倒れた。

この1930年代前半が世論の転換点で、政党も軍部に迎合するようになった。大衆がストレスを発散する最大の劇場が戦争だったからだ。軍部が政党政治を破壊したわけではなく、ドイツのように独裁者が政党を解散させたわけでもない。

治安維持法による言論弾圧で歯止めをかけられなかった」というのは嘘で、新聞は軍部を支持し、戦争に積極的に協力したのだ。

大規模な「劇場」(=戦争)のスペクタクルと、息子の安否を知りたい親心から、人々は競って新聞を読み、部数は満州事変で50%も増えた。