quadratureのシニカル日記

イヤなことは壺の中に

科学技術立国が泣けてくる産経新聞記者のレベルの低さ

鍋の下に熱電素子を貼り付け、火と鍋の温度差を利用して発電しようという「発電鍋」を誰かが思いついたらしい。以下、読売と産経の記事。

読売(ホーム−科学、6/10)
鍋底の外側に熱発電板(6センチ四方)を取りつけ、たき火など500度程度の炎で熱すると、100度までしか上がらない水との温度差で、熱発電板の中を電子が移動して電圧が生じる。

読売の記事はわかりやすい。それに対して、

産経([科学]ニュース、6/9)

  • 鍋底の下側に、電気を通す導体と呼ばれる素材で構成される発電器を取り付け、(中略)
  • 導体の下部は火に近く高温である一方、鍋の底に近い上部は湯で冷やされるため、温度差が電圧に変換される性質により発電

いったい何を言いたいのかわからない。「電気を通す導体と呼ばれる素材」とは一体何のことなのか。導体の定義そのものが電気を通すものではないのか?「温度差が電圧に変換される性質」はもっとひどい。主語は何なのか?どちらも伝える情報を全く含まない文だ。担当記者の科学知識は小学生以下だ。全国紙のレベルがこれでは、ニッポンの未来に希望が持てない。