quadratureのシニカル日記

イヤなことは壺の中に

ギリシャの復活

あれほど、ダメだダメだとばかり伝えられて、、挙句の果てに「国もダメだが国民もだめ、みんな公務員目指してるヤツばかり」とかまで言われ、日本も近いうちに必ずギリシャみたくなる、と蔑まれていたギリシャだが、、、
一体全体、いつの間に復活したのか? 果たして観光だけで持ち直したのか?


www.jetro.go.jp

ギリシャIMFへの債務返済を完了(ギリシャ、イタリア)

ギリシャクリストス・スタイクラ財務相は4月4日、IMFに対する総額201億ユーロの債務返済が完了したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同債務は、2010年のギリシャ債務危機の際に合意された最初の金融支援である「ギリシャ・ローン・ファシリティプログラム(GLF)」の一部(2010年4月26日記事参照)。同プログラムは、欧州諸国からの529億ユーロの2国間融資とIMFからの201億ユーロの融資で構成されている。

ギリシャ政府は、2021年12月6日のユーロ・グループ(ユーロ圏財務相会合)において、IMFからの融資の残高17億1,700万ユーロについて、2022年から2024年の間に3回にわたって返済する予定を繰り上げること、そしてIMF以外からの融資に関しても一部期限前に返済する意向を明らかにしていた。欧州委員会が2月23日に発行した、ギリシャの財政政策の進捗に関する監査報告書における前向きな評価を踏まえ、ユーロ・グループは2月25日の声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、このギリシャ政府の決定を歓迎した。

ギリシャ・ローン・ファシリティプログラムは、ギリシャ経済危機の第1次救済措置として合意されたもので、債務の3%の利息はギリシャ経済に負担を強いてきた。

スタイクラ財務相は、今回のIMFへの債務返済完了は同国の財政状況について市場に対するポジティブなメッセージを送り、ギリシャ社会のために総額2億3,000万ユーロの国家予算の貯蓄をもたらすと評した。

(井上友里)

www.nikkei.com

[FT]復活遂げたギリシャ経済 投資適格級へ復帰視野 2023年5月21日 0:00 [有料会員限定]
ギリシャが国家破産の瀬戸際から10年余りで、経済の復興を遂げている。米格付け会社S&Pグローバルは最近、ギリシャの格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に変更した。正式に格上げされると、ギリシャの格付けは最下位のトリプルBマイナスではあるものの、投資適格級となる。


ギリシャGDPの約5分の1を占める観光収入は、昨年、パンデミック前の97%の水準に達した=AP
長く欧州の問題児扱いされてきたギリシャだが、経済成長率は急伸している。2021年の国内総生産GDP)成長率は8.4%、22年も5.9%と高かった。基礎的財政収支プライマリーバランス)も22年にGDP比0.1%の黒字を達成した。エコノミストたちは、23〜24年の経済成長率もユーロ圏全体を上回ると予想している。

12年と比べると状況は様変わりした。当時、ギリシャ債務危機はユーロ圏を分裂の危機に直面させ、同国の信用格付けは最低の「選択的デフォルト(債務不履行)」まで下がった。

復帰の道は険しく、緊縮策の爪痕は今も残る。ギリシャ相対的貧困率欧州連合EU)で最も高い部類に入る。GDPも大底から回復はしたが、現在も危機以前の水準を下回っている。

一方、経済改革が奏功した最たる例が貿易だ。10年から21年にかけてギリシャの財輸出は90%増加した。ギリシャ中銀のディミトリス・マリアロプロス氏は輸出を後押しした要因が賃金カットだったとし、「改善には大きな代償が伴った」としている。

それでも改革の痛みは報われつつある。ギリシャ政府の債務残高はパンデミック中にGDP比206%まで上昇した後、22年は171%まで低下した。債務削減は世界でも屈指のペースとなった。対内直接投資は22年に統計開始以来の最高額となり、ギリシャに恩恵をもたらしている。

GDPの2割を占める観光業は22年、新型コロナ前の97%の水準まで回復した。外国人はギリシャで休暇を過ごしているだけでなく、不動産にも多額の投資をしている。海外からの不動産購入は22年、07年実績の4倍近くの約20億ユーロに達している。

By Eleni Varvitsioti, Martin Arnold and Mary McDougall