quadratureのシニカル日記

イヤなことは壺の中に

産経オンライン、特集【昭和天皇実録を読む】

2014.9.17 14:37産経オンライン、【昭和天皇実録を読む】
青年君主、田中義首相を叱責、総辞職招く 「若気の至り」との後悔、後の失敗へ
昨日記した読売オンラインとは別の観点から書かれており興味深い。

張作霖爆殺事件で、田中首相は当初、関与が疑われた日本軍を厳罰処分する方針を奏上した。だが、事件をうやむやにしたい陸軍などの要求に流され、「犯人不明のまま責任者の行政処分のみを実施する旨」を奏上。それに天皇が激怒...

いわゆる田中義一叱責事件。その五日後に総辞職。

昭和天皇はのちに「私の若気の至りであった」と、率直に後悔している。

皮肉にもそれが、第二の失敗をもたらすことになる。
昭和6年9月18日、満州事変が勃発。
19日《(首相から)事態を現在以上には拡大せしめないよう努めるとの方針を決定した旨の奏上...

21日《(参謀総長から)朝鮮軍隷下の混成第三十九旅団が朝鮮軍司令官の独断を以て国境を越え奉天に向け出動した(中略)旨の奏上を受けられる》

これに対し「この度はやむを得ざるも、今後気をつけるようにと戒められる」と言う対応を第二の失敗と論じている。これこそ、

この時こそ昭和天皇大元帥として陸軍を強く叱責し、厳罰処分にすべきだった。

としている。確かにこの5年後の二・二六事件では大権で対応しているので、出来なかったことはないはずである。読売は情報不足によって「中国軍に対する防衛」と認識してしまっていたことを挙げているが、産経の見方も一理ある。