quadratureのシニカル日記

イヤなことは壺の中に

「東大までの人」と「東大からの人」─週刊現代の記事の嘘

週刊現代の記事。出身高校によって、スタートラインがかなりずれているので、落ちこぼれたりする人が多いという話、。どこにでもありそうなことであるが、一つ気になったのは、記事で取り上げている具体的な数値。

40人ほどのクラスメートの中に、人だまりができていた。<中略>超一流の高校出身者ばかりが、すでに集団を作っていたのだ。

というくだりであるが、結論から言うと数値的に嘘だ。
いくら有名進学高校でもその学校の一学年の東大入学者数は、せいぜい百人強であり、東大の一学年が約3000人であることを考えると、その割合は3%である。一クラス40人の3%と言えば一人か二人ではないか。もちろん、小集団の話だから、統計上のゆらぎも大きいから、偶然に数人の集団があるクラスにまとまった可能性もある。しかし、その偶然を取り上げて一般論にするのはあまりにひどい。偶然かどうかは数値をちょっと確認すればわかる話ではないか。おそらく、慶應など、付属高校を持つ大学の話と、頭の中でごちゃごちゃになり、勝手にイメージを膨らませてしまったのだろう。もちろん、そのおかげで面白い「うそ記事」になったことは確かではあるが、、、週刊現代、現代ビジネス、2010年02月03日、03月16日、03月20日