手洗い

食堂に手を洗う洗面台ボウルが二つ並んである。その、右側の方の壁に手拭用のペーパータオルが取り付けられている。右側のボウルで手を洗った際はペーパータオルをすぐに取れるのであるが、左側で洗った場合は、右で洗っている人が終わってからでないと取りにくい。濡れた手を人と壁の間に挿しいれてペーパータオルを取るのはちょっと勇気が要る。
今日の昼飯時に、その左のボウルで手を洗っていると、右のボウルに女性が手を洗いに来た。二十〜三十代の普通の女性だ。すぐに済むかと思うと、石鹸をつけてごしごし洗い出した。少し待っていると、もう一度石鹸を付けて丁寧に洗っている。もう終わりだろうと思ったら、今度は手術前の外科医師がやるように、指先の爪の間をごしごしやっている。それも済んだのでそろそろペーパータオルを取れるかと思ったら、いきなり、顔を洗い出した。いったいどうしたことかと呆然と見ていると、うがいもやりだした。それも一度や二度ではない。立ち尽くしていると、いきなり、「待ってらしたんですか。言ってくれれば良いのに」と言われたので、「まさか顔まで洗うと思わなかったんで、、、」と言って離れた。
詳しい状況は全くわからないのだが、想像するに、神経質な人なのでいつもそうしている、化学or生物実験の後だった、喧嘩して誰かにつばをかけられた、、、、etc.