quadratureのシニカル日記

イヤなことは壺の中に

ウェルベックの「セロトニン」

Newsweek日本版(2019年02月15日)コラム>フローランの日本文化論
ブラック・ユーモアを忘れた日本は付き合いにくい(フローラン・ダバディ

セロトニン』の主人公の名前は私と同じフローランです。ウエルベックの小説によく描かれている、虚脱状態に陥った中流階級の中年男です。
遊び人の柚子の本当の姿の前に吐き気がするフローラン、鈍感で情けないフローランに飽き飽きしている柚子、二人は互いに互いが耐えられず、最悪な日々が描かれています。

で、フローランさんは、この小説を通して、日本に反仏感情が巻き起こるのではないかと本気で心配されている。
で、

いろいろ弁解している。
買ってみようかな、セロトニン(€22)。(検索すると確かに陰惨な内容だった。一瞬、「タクシードライバー」を彷彿とさせたが、もちろんこの主人公はヒーローにはならない)

ミシェル・ウェルベックセロトニン


で、もう一つ思い出したのが、田丸ヒロ子さんの『パリジャンと思って結婚したら、ただの貧乏なオタクでした』(2010)である。これもあほらしいような可哀そうな結末だった。